バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
レンショウ細胞による反回抑制と筋張力制御
内山 孝憲
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 27 巻 2 号 p. 76-82

詳細
抄録

筋張力を直接制御するものは, 脊髄内のα運動神経である. そのα運動神経に対して脊髄内でのフィードバック回路を構成している神経細胞がレンショウ細胞である. レンショウ細胞を含む反回抑制系については, 実験上の困難さやα運動神経細胞との結合が幾何学的に複雑で大規模な構造であることが理由となり, あまり分かっていない. 一方, これまで, 個別にはα運動神経細胞およびレンショウ細胞の性質が調べられており, 近年, これらに基づいて計算機シミュレーションにより, 筋張力制御との関わりが明らかにされつつある. 本稿では, α運動神経細胞およびレンショウ細胞の生理学的性質について述べ, モデル化方法および筋張力制御との関連について, いくつか紹介する.

著者関連情報
© 2003 バイオメカニズム学会
前の記事 次の記事
feedback
Top