バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
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顎骨の個体別モデリングと力学解析
伊能 教夫
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2004 年 28 巻 4 号 p. 184-188

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抄録

顎顔面外科領域では三次元画像を利用したオーダーメイド治療が研究の重要なテーマになっている.顎顔面の力学解析は,この研究を発展させる上で重要である.顎骨の形は複雑で,極端に薄い箇所や細長い部分を有し,緻密骨の厚さも部位によって異なる.また,咀嚼筋は種類が多く,顎骨に多方向から力が働いている.これらの顎骨の特徴を考慮した力学解析には,個体別のモデリング手法の確立が必須である.本稿では,顎骨の個体別モデリングと力学解析に関する課題を挙げながら研究の現状を紹介する.主な内容は,顎骨形態に則した有限要素分割,パーシャルボリューム効果の補正手法,咬合時の咀嚼筋力の推定,力学条件設定支援システムである.

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© 2004 バイオメカニズム学会
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