バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
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聴覚器のモデリングとその臨床応用
小池 卓二和田 仁
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2004 年 28 巻 4 号 p. 179-183

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抄録

聴覚器官は,空気中の音波を生体内に取り入れて知覚するための,微小且つ高周波数で振動する器官である.音波によって生じた鼓膜の振動は,耳小骨を経由して,感覚細胞が存在する内耳に伝えられる.よって,鼓膜や耳小骨の振動特性は聴力に影響を及ぼし,特に疾患などにより,中耳の振動が妨げられると,大きく聴力が低下する.しかし,聴覚器官の振動は直接計測が困難なため,その振動様式や,病変による影響は十分に解明されてはいない.本稿では,筆者らが取り組んでいる中耳のモデル化を中心に,計算による中耳振動解析と,その臨床への応用について,実例を挙げながら解説する.

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© 2004 バイオメカニズム学会
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