バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
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バイオメカニクスデータの解釈をいかに学生に教えるか(3)
―臨床での運動機能病態の記述・評価にバイオメカニクスデータを活かす―
金 承革
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2006 年 30 巻 3 号 p. 156-162

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抄録
理学療法士が扱う対象は患者の運動機能障害であるため,患者の運動機能病態を“的確に”観測・記述することが,機能障害の原因を推測することや治療効果を評価することに重要であることを理解させる.たった一つの観測パラメータだけで,患者の運動機能病態のすべてを記述できないことを認識させる.胴体を大きく傾けて歩いても水平面上の身体重心軌跡はほとんど変化しないことを示し,重心という観測パラメータの臨床使用への適用と限界を例示する.様々な観測パラメータを使用して整形外科疾患患者の運動機能病態を記述する例を提示し,多角的な運動機能病態の記述結果から運動障害の原因を推測する過程を紹介する.
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© 2006 バイオメカニズム学会
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