バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
モデルベースアプローチによる立位姿勢の安定性評価
川口 勉長谷 和徳大日方 五郎川合 忠雄中山 淳
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2007 年 31 巻 2 号 p. 101-109

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抄録
人間の姿勢制御を主に担う感覚器は,視覚・体性感覚・前庭系であるとされているが,これらの制御特性を実測することは困難であり,その特性に着目したバランス感覚の評価方法は数少ない.本研究では,この 3つの感覚器と,トラッキング特有のトラッキングマークが移動する速度からの学習性予測の機能を組み込んだ簡易人体モデルを提案し,その各感覚器の特性が人間の感覚器とよく一致することを確認した.さらに運動負荷実験の前後で,被験者 8名のうち 7名において人体モデルの体性感覚ゲインのパラメータ感度が統計学的に有意に増加した.この結果より,体性感覚ゲインのパラメータ感度を用いた姿勢安定性の論理的かつ定量的な評価方法を提案する.
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© 2007 バイオメカニズム学会
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