抄録
触力覚を用いることで,従来型インタフェースの操作性や情報の知覚・理解を向上させることが可能と考えられている.特に,非ベース型触力覚インタフェースは,歩きながらでも利用できるため,バーチャル物体を表現するモバイル・ウェアラブルインタフェースとして,各種技術訓練,遠隔操作,健康医療福祉機器などへの様々な応用が期待されている.本稿では最近話題の非接地型触力覚インタフェースの一例として GyroCubeシリーズを取り上げ,その斬新なアイディアの原点および開発時の問題解決といった開発経緯を示すとともに,国内における携帯型感覚情報通信における非ベース型可触化技術の開発動向および今後の実用化の可能性について解説する.