2009 年 33 巻 1 号 p. 57-63
近年,実用化が進められているヒューマノイドの多くはフィードバック閉回路により制御されている.このような制御手法は軌道計画が複雑なうえ,エネルギ効率や任意環境への適応性等に多くの問題を抱えている.これらの問題の解決策として受動歩行が注目されているが,その歩行の安定化理論は未だ明らかにされていない.本研究では,ヒトの歩行解析結果を基にヒトと同様に三次元的な体重移動が可能な足部を有する受動歩行ロボットを実際に設計・製作し,実験的に歩行の安定化条件を検討した.さらに,歩行路性状が変化する任意の環境下においても常に安定した歩容を獲得するため,強制引き込み現象を利用した準受動歩行ロボットをモデル化し,その制御手法について解析的に検討した.