抄録
運動には限りない多様性がある.うねって力を伝えることの有効性はよく知られており,鞭の尖端は音速を超えるほど
の威力を発するが,鞭がしなって順々に力を伝えるまでに距離と時間がかかり,気配がでる.さらに,鞭の原理の場合は強い踏ん張りが必要なために身体を痛めることが多いが,身体全体をうまく組み合わせて使えるようになると身体の各部位にかかる負担が少なくてすむという指摘がある.本稿では,「ねじらない・うねらない・踏ん張らない」という関節に負担が少ない動きのイメージとして「ナンバ」という用語を象徴的に使い,不安定を利用する状態遷移による二足歩行ロボットの動きを展開し,運動がどのように獲得されるのかについて議論する.体全体に滞りがないように瞬時に状態(姿勢)を形成して,状態から状態に一気に遷移することにより速さとロバスト性を生む.