抄録
効率的な目視検査方法について検討するため,検査対象物の提示方法の相違が欠点検出率に及ぼす影響について検証した.具体的には,検査対象物の動きとその見せ方を変動要因とした実験モデルを考案し,4 通りの眼球運動を誘導する実験を行なった.その結果,検査対象物を早く大きく(離散的に)動かす提示方法は,随意的な眼球運動を必要とせず,検査範囲の中心を長い時間注視することができるので,広い範囲を一度に注視できる見せ方であることを示した.さらに,眼球運動の特徴について検討した結果,衝動性眼球運動は,欠点を違和感として捉える目視検査において有効な眼球運動である可能性を示した.