バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
ヒトが知覚しているつま先の高さと実際のつま先の高さとの誤差
小林 吉之高橋 健長尾 裕太藤本 浩志
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2013 年 37 巻 2 号 p. 121-126

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抄録
本研究は,歩行中のつまずきやすさに関連すると考えられる,つま先位置の鉛直方向の知覚特性に着目し,被験者本人が知覚しているつま先の位置と,実際のつま先の位置との誤差を定量的に評価した.実験では10 名の若年健常者に対し,足元が見えないように視界が遮蔽された状態で,被験者の3[m] 前方に提示した高さ提示用の試験片と同じ高さまでつま先の高さを合わせるよう指示した.被験者本人が,自分のつま先の高さが試験片の高さと同じになったと感じた時点で実際の高さとの差を計測し,試験片の高さ及び利き足か否かについて恒常誤差を分析した.その結果,試験片の高さが高くなるほど恒常誤差は負の方向に大きくなる傾向が確認された.またこのような傾向は,先行研究で報告されている関節位置覚の知覚特性と一部整合性がとれることも確認された.以上のことから被験者がつま先を高く持ち上げるほど,「自分が思ったよりも足が持ち上がっていない」状態が顕著となる傾向が示唆された.
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© 2013 バイオメカニズム学会
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