2013 年 37 巻 3 号 p. 153-157
我々の日常生活は夜間睡眠をとり,日中は様々な社会活動を営むというサイクルで成り立っている.寝具は睡眠のための重要な道具であり,従来から睡眠に着目した研究が行われている.しかし,全身状態が悪化している場合や重度の運動障害がある場合,寝具の上で手足を動かすこと,寝返りを打つこと,寝具から離れること等が容易では無くなり,それらを支援するために何らかの工夫が必要となる.すなわち,医療福祉の現場では昼夜を問わず寝具が用いられるため,寝具で過ごすあるいは寝具から離れるための支援が必要となる.本特集では,寝具で過ごすこと,寝具から離れることの概要,さらにそこで生じる問題とその問題に対処するための支援技術について取り上げていく.