抄録
手術後や大腿骨頚部骨折,切迫早産等,安静が必要な療養者は,ベッド上で多くの時間を過ごす.したがって,療養者のベッドは,本来の睡眠と共に,診察・治療・看護空間であるばかりでなく,本人の生活空間にもなっている.しかし,臥位や半座位(ベッド上で背上げした姿勢)では作業域や視野が制限され,覚醒度も低下して生活リズムが乱れることが多い.このような生活上の不自由さの改善には,臥位や半座位で可能な作業の明確化と什器設備の対応,および,より基本的な身体・生理特性の計測評価手法の開発が必要になる.このため,本稿では臥位での上肢作業域と側方視野の計測,これらに基づいたベッドサイド什器の提案,半座位での低負担作業姿勢の探索と作業のための什器配置の提案,および,生活リズム改善の基礎になる臥床生活者の覚醒度定量化手法を示した.