バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
収縮様式を考慮した定速走動作における支持脚筋群の動力学的な役割
仲谷 政剛小池 関也
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2014 年 38 巻 1 号 p. 61-73

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抄録

本研究では,定速の走動作における支持脚筋群について,その収縮様式を考慮した役割を明らかにすることを目的とした.踵接地タイプのランナー12名を被験者とした速度3.3[m/s]の走動作に対して,筋骨格モデルにより推定した支持脚筋張力,および全身の運動方程式を用いて,各筋の収縮様式別の筋張力による身体重心加速度に対する貢献を算出した.その結果,下腿三頭筋は,制動局面においては主に伸張性,推進局面においては主に短縮性収縮による筋張力によって,身体の支持および推進に大きく貢献することが明らかとなった.また,大腿直筋は支持期を通して伸張性,広筋群は制動局面においては伸張性,推進局面においては短縮性収縮による筋張力によって,身体の支持および制動の役割を担っていることがわかった.さらに,背屈筋群は,伸張性収縮による筋張力によって,踵接地後の衝撃を緩和していることが明らかとなった.

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© 2014 バイオメカニズム学会
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