抄録
高齢者が要介護となる原因の多くは,明確な疾病とは言えない加齢による生活機能低下「老年症候群」である.噛む・ 飲み込むなどの口腔機能の低下は老年症候群の一つであり,足腰の虚弱化や栄養状態悪化などにも関係する.すなわち,高齢 者の介護予防のためには口腔機能評価がきわめて重要である.本稿では,地域高齢者における口腔機能と運動機能や栄養状態 との関係をコホート研究のデータに基づき解説する.また,現在介護予防サービスなどで導入されている口腔機能評価指標に ついて説明し,地域高齢者における口腔機能低下者の出現状況,口腔機能向上プログラムによる改善例を紹介する.