近年,脚ロボットの発展には目を見張るものがある.いくつかの脚ロボットは,ヒトの脚の一関節筋と二関節筋による筋配列を模倣することで,安定した歩行運動を実現している.しかし,筋配列とその運動制御の関係を詳細に調べ,その結果 を直接ロボットの運動制御に生かした例はほとんどない.この研究は,筋肉配列に基づいた脚ロボットを試作し,二関節筋が立位における静的な安定性におよぼす影響について実証した.ロボットの剛性特性と倒立振子モデルの関係を用いて,立位静的安定性に対する解析と実験をおこなった.立位静的安定性は,複雑なコンピュータ制御を必要とせず,二関節筋のもつ機能によって改善できることが示された.