バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
ヒト脳機能研究におけるfMRIの役割
阿部 修士
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2021 年 45 巻 1 号 p. 21-29

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抄録
20世紀終わり頃から現在に至るまでの脳機能研究の進展は,神経活動の間接的な測定を可能にした非侵襲的脳機能画像法の確立によるところが大きい.特に,MRIを用いた機能的磁気共鳴画像法(fMRI)は,ヒト脳機能の研究に欠かすことのできない主要なツールとなっている.本稿では,まずfMRIの基本的原理と研究手法を振り返る.その後,ヒト脳機能の研究において最も歴史のある神経心理学とfMRIを対比し,それぞれの有用性と限界点を整理することで,fMRIの役割について考察する.最後に,近年急速に発展しているfMRI研究の先端的な解析技術について紹介し,今後の展望についても述べる.
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© 2021 バイオメカニズム学会
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