抄録
低いフリップ角と短いTRで撮像を行うグラジエントエコー(GRE)シーケンスは特にT1強調像を用いた造影ダイナミックMRIの撮像に欠かせない.MRIは一般的に動きに弱い撮像装置であるため,腹部臓器の撮像には息止めや呼吸同期を併用することが多かった.近年,画像に関する事前知識をうまく活用することで,少ない収集データからでもアーチファクトの少ない画像を再構成する手法の一つである圧縮センシング法の応用範囲が広がってきた結果,k 空間のデータ収集を工夫することと組み合わせて,自由呼吸下に腹部のMRI撮像が可能となってきた.本稿では腹部自由呼吸下撮像を可能とする手法の一つであるGRASP法を中心に,その過去・現在・未来について述べたい.