2021 年 45 巻 2 号 p. 95-101
本研究はサッカー競技経験者とサッカー競技未経験者に対してボールリフティングを行わせ,操作脚の動作および筋電 図データから熟練度の違いによる運動制御機構を明らかにすることを目的とした.膝関節および足関節の屈曲筋,伸展筋の筋電図データを記録し,得られたデータからCCI(Co-contraction Index:同時収縮値)を算出した.動作局面はボールの位置座標を用いて,Touch 局面とKick 局面に局面分けをした.Kick 局面の前脛骨筋を除いて,活動量は熟練群が未熟練群と比較して低値を示した.Touch 局面の膝関節においてCCI は熟練群が高値を示したが,Kick 局面の足関節においてCCI は,熟練群が低値を示した.熟練群は,足関節制御を用いてボールリフティングを行うが,未熟練者は,膝関節制御を用いてボールリフティングを行っていることが示唆された.