バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
足関節内反捻挫者の膝関節制限による足関節不安定性評価
DANG KHOA NGUYEN徳永 由太高林 知也稲井 卓真久保 雅義
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 45 巻 4 号 p. 245-250

詳細
抄録

片脚立位課題における膝関節の固定・非固定が姿勢制御戦略に与える影響を観察し,足関節不安定性を示す CAI群内でのバランス能力についてさらにサブグループ化を試みた.健常成人と CAI者を対象とし,閉眼の片脚立位姿勢を膝関節の固定・非固定条件において実施し,各群の圧力中心( COP)や頭部・足部加速度を比較した. CAI群内について, 2条件の間での左右方向の頭部加速度変化量により,高変化群と低変化群に分け,バランス能力を評価した.膝関節固定条件では,股関節・足関節の運動連鎖が絶たれたため,片脚起立は困難になったが,健常群と CAI群ではその対応は異なっていた.同じ CAI群内でも高変化群と低変化群では,下肢運動連鎖によりマスクされていた足関節不安定性に起因すると考えられるバランス能力に有意な違いが観察された.臨床的にも使える方法で,CAI者のバランス能力評価に新しい情報を加えることができる.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top