抄録
バイオフィードバック・システムは,人間の状態や挙動を生体情報センシングして複数の感覚チャンネルでフィードバッ
クするという意味では,各種のゲーム(ゲーム機/スマホ/ゲームセンター)やアミューズメント施設のアトラクション,そして科学館などに増えている体験型展示装置などと共通している.芸術の領域で 20 世紀になって登場した「メディアアート」はコンピュータ・エレクトロニクス技術の発展と共に Technology Art として進化しており,生体情報センサを道具としてバイオフィードバック・アートの領域も拡大させている.本稿では視覚/聴覚という古典的なチャンネルを超えたバイオフィードバックの事例として,筋電センサ(ピーク値でなく脱力した中庸の状態)および触覚/触感センサを用いて「ウェルネス・エンタテインメント」を目指すアプローチの事例について解説する.