抄録
高齢期のWell-beingの達成には,社会参加や社会交流が不可欠であり,それらが心身の健康や生活の質に与える影響が注目されている.本稿では,高齢期の主な健康課題であるフレイルと認知症を取り上げ,社会参加・社会交流の重要性を論じる.これまでの研究により,社会参加・社会交流がフレイルの予防・改善や認知症リスクの低減に寄与することが明らかになっているが,行動やコミュニケーションを具体的かつ客観的に評価する手法には課題が残る.従来の自己報告や観察に加え,近年になって急速に発展したデジタルデバイスやデータ解析技術によって効率的で精度の高い評価を可能にすることが期待される.以上を踏まえ,社会参加・社会交流の意義を検討し,評価手法の現状と課題を整理するとともに,これらの課題解決に向けた展望を提示する.