抄録
本研究では,デイサービスに勤務する介護士の対人関係形成能力をソーシャルスキル(以下,SS)
の枠組みでとらえた.そして,介護士のSS 向上のための心理教育法の開発に向けて,利用者と介護
士の双方の視点から調査を行った.
研究1では,利用者を対象に2つの調査を実施した.①質問紙調査:208人が分析対象となり,KJ
法を用いて分析した.その結果,利用者が介護士に信頼感を抱いた場面として5つの場面と,場面ご
とに信頼感を抱かせる介護士の関わりとして8つのカテゴリーを見いだした.②面接調査:12人が
分析対象となり,修正版グランデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析した.その
結果,37個のカテゴリーと12個の概念が見いだされ,利用者と介護士の信頼関係構築プロセスが明
らかとなった.
研究2では,介護士を対象に2つの調査を実施した.①質問紙調査:デイサービス介護士のソーシャ
ルスキル尺度群(DCSI)原案と関わり肯定感尺度原案を作成し調査を実施した.500人が分析対象
となりDCSI と関わり肯定感尺度の因子構造を明らかにし,信頼性と妥当性を確認できた.②質問紙
調査:DCSI を基に,DCSI 短縮版原案を作成し,調査を実施した.500人が分析対象となりDCSI
短縮版の因子構造を明らかにし,信頼性と妥当性を確認できた.
今後は,介護士の対人関係形成能力向上のための心理教育プログラムを開発し,その効果を検証す
ることを課題としたい.