抄録
咀嚼と健康との関係の重要性を示唆する多くの知見が報告されている. 今回, 新しく開発した咀嚼剤としての咀嚼食品の基礎的資料を得る目的で, 健常者15名を対象に, 本咀嚼食品を2週間使用してもらい, 使用前後の2回, 唾液分泌量, 唾液緩衝能, 咬合力, 咬合圧, NK細胞活性, 血清亜鉛量について検討した. その結果, 唾液分泌量, 咬合力の2項目において有意差が認められた. また, 血清亜鉛量に増加傾向が認められた. このことにより, 本咀嚼食品は咀嚼剤として有用であることが示唆された. 今後は高齢者用, 小児用等に特化した咀嚼食品の開発が必要である.