日本咀嚼学会雑誌
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グミゼリー咀嚼時における下顎運動量と咀嚼能率との関係
平賀 泰志賀 博小林 義典
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2001 年 11 巻 1 号 p. 29-35

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抄録
咀嚼時の下顎運動量と咀嚼能率との関係を明らかにする目的で, 20歳代の正常者50名にグミゼリーを主咀嚼側で20秒間咀嚼させた時の下顎切歯点の開口量, 咀嚼幅とグルコースの溶出量との関係を調べた. その結果, 開口量とグルコースの溶出量との関係は, 開口量が大きくなるに従って, グルコースの溶出量も大きくなり, 両者間に高度に有意な正の相関が認められた. 咀嚼幅が4mm未満の群における咀嚼幅とグルコースの溶出量との関係は, 咀嚼幅が大きくなるに従って, グルコースの溶出量が大きくなる傾向を示し, 両者間に高度に有意な正の相関が認められた. 咀嚼幅が4mm以上の群における咀嚼幅とグルコースの溶出量との関係は, 咀嚼幅が大きくなるに従って, グルコースの溶出量が小さくなる傾向を示し, 両者間に有意な負の相関が認められた. これらのことから, 咀嚼時の下顎の垂直的運動量と咀嚼能率との間には, 比例的な関係があり, また下顎の側方的運動量と咀嚼能率との間には, 側方的運動量が4mm未満の場合に比例的な関係があるが, 4mm以上の場合に逆比例的な関係があることが示唆された.
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