日本咀嚼学会雑誌
Online ISSN : 1884-4448
Print ISSN : 0917-8090
ISSN-L : 0917-8090
一流柔道選手の咬合状態と重心動揺の関係
村岡 康博木原 俊之安河内 春彦陶山 三千也高野 裕光今村 裕行志波 直人田川 善彦
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 11 巻 1 号 p. 37-45

詳細
抄録
本研究は, 柔道の競技力に繋がる平衡機能に, 咬合状態がどの様に関与しているかを知るための基礎的資料を得ることを目的とし, 日本代表柔道選手を対象に, 重心動揺と咬合状態との関連性について検討した.
1. 咬合状態
咬合面積, 咬合力及び咬合バランスの値には, 個人差が大きかった.
2. 咬合状態と重心動揺との相関
1) 咬合面積と重心動揺
主観的に強い噛み合わせでは, 総軌跡長, 単位軌跡長に相関が見られ, 安静状態での噛み合わせでは, 外周面積, 矩形面積及び実効値面積に相関が見られた.
2) 咬合力・咬合バランスと重心動揺噛み合わせに関係なく外周面積, 矩形面積及び実効値面積に相関が見られた.
3. 噛み合わせ条件の違いによる重心動揺の差の検定
総軌跡長と外周面積では, 統計的に有意な差を示した.
以上の結果により, 咬合状態と重心動揺には密接な関係が有ることが示唆された. また, 主観的に強いクレンチングは, 重心動揺の成績を向上させることが示された.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本咀嚼学会
前の記事 次の記事
feedback
Top