島根県立中央病院医学雑誌
Online ISSN : 2435-0710
Print ISSN : 0289-5455
当科の感染性大動脈瘤・腸骨動脈瘤に対する治療法の検討
山内 正信金築 一摩上平 聡花田 智樹
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2019 年 43 巻 p. 29-34

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抄録
2002年から2018年に感染性胸部大動脈瘤8例(うち大動脈・気管支肺瘻1例)、感染性 腹部大動脈瘤6例(うち大動脈・十二指腸瘻2例)、感染性腸骨動脈瘤2例に対し手術を行った。男 性14例、女性2例、平均年齢73才。起因菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)3例、メ チシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)3例、大腸菌(E. coli)2例、Campylobacter属2例、メチ シリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)1例、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)1 例、Streptococcus pneumoniae 1例、Pasteurella multocida 1例、Bacteroides thetaiotaomicron 1例、不 明1例。手術は、緊急・準緊急手術13例で、術式はリファンピシン浸漬人工血管置換及び大網充填 術6例、リファンピシン浸漬人工血管置換術3例、人工血管置換術のみ2例、ステントグラフト内 挿術2例、人工血管置換及び大網充填術1例、動脈断端閉鎖及び非解剖学的血行再建術1例、大網 充填術のみ1例であった。30日死亡は2例、病院死亡は3例、遠隔死亡2例であった。遠隔生存例 では、感染に対して再手術を行ったものはなかった。感染性大動脈瘤・腸骨動脈瘤に対しては、リ ファンピシン浸漬人工血管置換及び大網充填術が基本術式であるが、開胸・開腹手術が困難な高齢 者や大動脈・気管支肺瘻あるいは消化管瘻に対しては、今後、ステントグラフト内挿術の適応が広 がるものと思われる。
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© 2019 島根県立中央病院
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