島根県立中央病院医学雑誌
Online ISSN : 2435-0710
Print ISSN : 0289-5455
最新号
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表紙 目次
巻頭言
原著
  • 木村 菜美, 錦織 和真, 藤原 亮, 森山 史就, 安食 健一, 園山 智宏, 横手 克樹
    原稿種別: 原著
    2026 年50 巻 p. 5-7
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    Bacillus cereusB. cereus)は自然界に広く分布し,稀に末梢静脈カテーテル関連血流感染(peripheral venous catheter-related bloodstream infection;PCRBSI)の起因菌となることが報告されている.島根県立中央病院(当院)でも2014年4月から2024年3月の期間に,9例のB. cereusを起因菌としたPCRBSIが発症し,患者背景を調査した結果,全例にアミノ酸・糖・電解質・ビタミンB1液(ビーフリード®)の使用を認めた.ビーフリード®の投与条件としては,9例中7例で他の薬剤が混注され,9例中8例で12時間以上かけて投与されていた.本研究から,ビーフリード®の投与がPCRBSIに関与し,長時間投与,混注薬剤の有無が発症に関与することが示唆された.
  • 宮岡 洋一, 嘉本 朝子, 佐貫 勇輝, 日野 孝信, 岸本 健一, 藤原 文, 塚野 航介, 小川 さや香, 山之内 智志, 田中 雅樹, ...
    原稿種別: 原著
    2026 年50 巻 p. 9-15
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    【背景・目的】鎮静下内視鏡検査後の帰宅判定基準検討は少なく,全例に医師診察を行うことは業務負担となる.当院では内視鏡室と安静観察室が別フロアにあり,効率的な判定方法が求められた.Modified Aldrete scoreを基に改変した5項目(身体活動性・意識レベル・呼吸・循環・嘔気ふらつき)10点満点の鎮静後回復評価スコアを作成した.【方法】2022年〜2024年に施行した外来鎮静下上部消化管内視鏡検査中検討しえた782例を対象に,9点以上(医師診察なく帰宅)をA群,8点以下(要診察)をB群とし,有害事象による入院率等を後方視的に比較検討した.【結果】入院率はA群0.5%,B群25%で有意差があり,全入院例は女性で主因は嘔気であった.女性率,ペンタゾシン使用量,検査終了時評価スコア,帰宅前評価時有害事象率で有意差を認めた.【結語】本スコアは入院高リスク症例選別に有用であった.
  • 佐用 将隆, 山本 哲也
    原稿種別: 原著
    2026 年50 巻 p. 17-20
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,心筋症診断における心臓Magnetic Resonance Imaging(以下CMR)の有用性が高くなっている.その中でも,非造影で撮像が可能であるT1mapやT2mapといった定量mapping技術は,心筋の線維化,炎症などを推測することが可能なシーケンスである. またDeep Learningを用いた再構成技術(Deep Learning Reconstruction:以下DLR)は,短時間で高分解能な3D撮像が可能となりCMRにおいてもその活用が期待される.
    この度,1.5T MRI装置においてDLRを使用し,CMRでT1mapを撮像する機会を得たので,臨床使用を目的にDLR使用時と非使用時でT1mapの数値がどのように変化するか検討を行った.DLRの使用による画質劣化はなかったが,DLRのReduction Factorを上げすぎることによる信号低下の可能性が示唆された.DLRを使用する場合は,あらかじめ健常心筋のT1map値を把握しておく必要があると考えられた.
  • 阪本 仁
    原稿種別: 原著
    2026 年50 巻 p. 21-33
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    当科におけるロボット支援手術導入5例について検討した.今回経験した5例は前縦隔が3例,中縦隔が2例であった.アプローチは側胸アプローチ(側臥位)3例,同(仰臥位)1例,剣状突起下アプローチ1例であった.CO2送気併用は3例であった.剥離・切離方法はダブルバイポーラが3例,シンクロシール™併用は2例であった.その他使用したものはMLクリップアプライヤー2例,自動縫合器(従来の胸腔鏡用のもの)1例であった.ロボットアームでの縫合・結紮を必要としたものが2例であった.合併症は除脈性不整,肺漏を1例ずつ認め,どちらもグレードIであった. 5例のみではあるが,様々な経験ができた.ロボット支援縦隔手術においてより安全で,繊細な手技を低侵襲で行っていくことが可能であると分かり,次の目標であるロボット支援下肺葉・区域切除へ向けて準備する上で重要な経験となった.
症例報告
  • 床並 亜有子, 藤岡 淳, 増野 純二
    原稿種別: 症例報告
    2026 年50 巻 p. 35-40
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
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    近年,熱帯・亜熱帯地域を中心にデング熱感染者数の増加が世界的な懸念となっている.30代の男性がブラジルに1ヶ月間渡航し,帰国後から出現した高熱と全身性皮疹を主訴に当院外来を受診した.白血球減少と血小板減少を呈しておりデング熱を最も疑ったが,麻疹や風疹も鑑別疾患に挙げた.デングウイルスのPCRが陽性となりデング熱と診断した.軽度のヘマトクリット値の上昇があったが,全身状態は良好であったため,外来フォローし良好に経過した.皮疹を伴う発熱の患者では輸入感染症が有力な鑑別疾患になるが,麻疹や風疹もその感染性の強さなどから重要な鑑別疾患になる.大多数のデング熱の患者は外来でマネージメント可能だが,重症化の徴候をモニタリングする必要がある.世界的なデング熱の増加と訪日外国人の増加から,今後も一般の医療機関をデング熱患者が受診する事例は増加する可能性があるため,輸入感染症を疑う症例に対する診療体制の強化は重要な課題である.
  • 高吉 宏幸, 稲垣 諭史, 青山 淳夫, 安部 哲史, 日髙 敏和, 井川 房夫, 大森 直樹
    原稿種別: 症例報告
    2026 年50 巻 p. 41-46
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本症例はMRI撮影困難な70歳代女性で,繰り返す感覚異常を主訴に発症,頭部CTで円蓋部くも膜下出血(cSAH)や皮質下出血(SCH)を経時的に確認し,脳アミロイドアンギオパチー(CAA)に関連する一過性局所神経症候(TFNE)が強く疑われた.初期は一過性脳虚血発作(TIA)と診断され抗血小板薬が導入されたが,症状の頻発および出血,発症に至った.抗血小板薬中止後も出血を繰り返した.MRIは体内金属のため撮影困難であったが,臨床経過とCT所見からCAA関連TFNEと診断された貴重な症例である.TFNEがTIAと誤認されやすく,抗血栓薬が出血リスクを高め得る点に注意が必要であり,MRI撮影困難例における診断手段の確立が望まれる.
  • 中嶋 健人, 前本 遼, 佐藤 総太, 伊藤 拓馬, 三原 開人, 服部 晋明, 宮本 匠, 岩﨑 純治, 金澤 旭宣
    原稿種別: 症例報告
    2026 年50 巻 p. 47-51
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    急性胆嚢炎は妊娠中に外科手術が必要になる消化器疾患として急性虫垂炎に次いで多い疾患であり,その頻度は1,600-10,000妊娠に一人と報告されている.近年,妊婦の急性胆嚢炎に対しては,早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術(Laparoscopic Cholecystectomy :LC)が有効という報告も散見される.今回我々は妊娠23週の急性胆嚢炎に対して早期のLCを施行し,良好な経過を得たため文献的考察とともに報告する.
  • 新田 瑞樹, 橋本 幸繁, 日髙 敏和, 井上 祐輔, 山本 悠介, 井川 房夫
    原稿種別: 症例報告
    2026 年50 巻 p. 53-58
    発行日: 2026/03/10
    公開日: 2026/03/24
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    頭蓋内動脈硬化性病変による脳主幹動脈閉塞(intracranial atherosclerotic disease-large vessel occlusion:ICAD-LVO)は,主幹動脈閉塞の15~30%を占めると報告されており,抗血小板薬投与に加えて追加治療を要することが多い.近年,ICAD-LVOにおいて,stent retriever(SR)を狭窄部に一時的に展開して血管拡張を図り,抗血小板薬が効果を発揮するまで病変部の血流を維持するSR angioplastyが報告されている.しかし,頭蓋内動脈硬化性病変によるM2閉塞症例(ICAD-M2O)においてSR angioplasty を施行した報告は依然として少ない.今回,われわれはICAD-M2Oに対して SR angioplasty を施行し,良好な再開通維持を得られた症例を経験したので報告する.
投稿規定 編集後記
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