島根県立中央病院医学雑誌
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裁縫針による膝窩部伏針の1例
野﨑 健治飛田 正敏松崎 雅彦河野 大助永野 聖勝部 浩介
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キーワード: 移動, 裁縫針, 破片, 膝窩
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2021 年 45 巻 p. 57-59

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抄録
受傷機序が不明な裁縫針による膝窩部伏針の1例を経験した.症例は79歳女性.当科初 診約1か月前に原因不明の左膝痛が出現した.単純X線像で膝窩部に金属製の針を認めた.この針 は単純CTで神経血管束の近傍に存在しているものの,その走行からは外れていると判断した.針は 特に抵抗なく完全な摘出が可能であった.裁縫針による膝窩部伏針の報告は我々が渉猟した限り2 例のみであった.今回単純CTで針は神経血管束に近かったものの,針の先端は比較的浅い場所にあ り,また埋没方向もおおむね前後方向にあったため,針の先端を露出し確実に把持することで摘出 できた.しかし摘出時に近傍の神経血管損傷を引き起こす可能性も危惧される位置にあった.その ため患者に造影剤の危険因子がなければ,造影CT検査の追加も考慮し,可能な限り周囲との位置 関係を明確にしておくことが重要であると考えた.
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