抄録
本研究では,心不全入院患者の再入院予防に対する心不全患者教育ツールの影響を明らかにすることを目的とした.2015年4月1日から2019年3月 31日の期間にA病院循環器科病棟に心不全の診断で入院もしくは転入した患者 435症例を対象とし,ツール使用群とツール未使用群で心不全再入院について比較した.ツールの使用は,再入院予防に影響はなく,心不全再入院に影響していたのは年齢のみであった.また,ツール未使用群と比較してツール使用群で心不全再入院までの日数が短かった.
ツール使用群では,自宅から入院した患者,自宅へ退院した患者,退院時ADLが自立していた患者割合がツール未使用群に比べて高く,社会資源を使用していた患者割合は,ツール未使用群より低かった.ツール未使用群に心不全患者教育を受けた患者もいたことが,ツール使用と再入院予防効果に影響していたと考えられた.