抄録
COVID-19の蔓延によるNICU/GCUでの面会制限が母親の産後の精神状態に与えた影響を明らかにすることを目的に,NICU/GCUへ入院した児とその母親を対象として,退院時,産後2週間健診,1ヶ月健診,新生児家庭訪問時のEPDSとMIBS-Jを後方視的に調査し,面会制限前後で比較し分析した.結果はEPDS,MIBS-Jともに面会制限前後の平均値に有意差はなかった.またEPDSの平均値は面会制限前後ともに退院時,産後2週間健診,1ヶ月健診,新生児家庭訪問時と経時的に低下しており有意差を認めた.カンガルーケア実施割合は面会制限後に有意に減少していたが,カンガルーケアを実施した母親のEPDSの平均値は経時的に低下しており有意差を認めた.臨床心理士の介入は面会制限後に有意に増加していた.このことから,面会制限下においても可能な限り母子接触の機会を設け,臨床心理士への介入を依頼したことが,母親の精神状態の安定に繋がったと考えられる.