島根県立中央病院医学雑誌
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第5CM 関節掌側脱臼の1例
杉原 太郎飛田 正敏松﨑 雅彦野﨑 健治西 真一郎勝部 浩介
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キーワード: 第 5CM関節,掌側脱臼
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2023 年 47 巻 1 号 p. 57-59

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抄録
第5手根中手関節(以下CM関節)掌側脱臼を経験した.症例は75歳女性,右利き.屋外で段差につまずいて左手の拳をついて転倒した.直後から左手の疼痛,腫脹があり,同日当科を受診した.単純X線像,CTで第 5CM関節掌側脱臼,第4中手骨頚部骨折を認めた.受傷翌日に手術を行った,伝達麻酔下に徒手整復を行った.容易に整復できたが牽引を緩めると再脱臼し,整復位保持は困難であった.整復後,径 1.2mmの田嶋式鋼線2本を用いて第 4-5中手骨間,第5中手骨-有鉤骨,有頭骨間を固定し,術後8週で鋼線を抜去した.術後4カ月時,握力 16kg(健側 25kg),小指MP関節,指対立運動に制限は認めなかった.第 5CM関節は掌側に豆状中手靭帯があるため,背側に比べ掌側脱臼が少ない.本症例は拳をついての受傷で,第4中手骨頚部骨折を合併していることから第4中手骨に軸圧方向の介達外力がかかったと推察され,第5中手骨とCM関節にも介達外力が加わり掌側脱臼を生じたと考察する.
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