抄録
鼻骨骨折, 涙小管断裂, 小指切断などを受傷した2例のクマによる外傷の治療を経験した. 緊急で創洗浄および創閉鎖, 鼻骨骨折の整復, 涙小管断裂の再建および切断指再接着などを施行した. 1例において受傷6か月後に涙小管断裂が見つかり, 以降2度の涙小管の修復を要した. また,切断指を伴う症例において経過良好であった接着指が術後11日目に壊死し, 皮弁による再建を要した. 2例を通じ, クマによる顔面の外傷では初期評価において涙小管断裂の有無を確認することや切断指の場合には再接着後, 通常よりも長期間の観察が重要であることなどが示唆された.