抄録
近年,熱帯・亜熱帯地域を中心にデング熱感染者数の増加が世界的な懸念となっている.30代の男性がブラジルに1ヶ月間渡航し,帰国後から出現した高熱と全身性皮疹を主訴に当院外来を受診した.白血球減少と血小板減少を呈しておりデング熱を最も疑ったが,麻疹や風疹も鑑別疾患に挙げた.デングウイルスのPCRが陽性となりデング熱と診断した.軽度のヘマトクリット値の上昇があったが,全身状態は良好であったため,外来フォローし良好に経過した.皮疹を伴う発熱の患者では輸入感染症が有力な鑑別疾患になるが,麻疹や風疹もその感染性の強さなどから重要な鑑別疾患になる.大多数のデング熱の患者は外来でマネージメント可能だが,重症化の徴候をモニタリングする必要がある.世界的なデング熱の増加と訪日外国人の増加から,今後も一般の医療機関をデング熱患者が受診する事例は増加する可能性があるため,輸入感染症を疑う症例に対する診療体制の強化は重要な課題である.