自殺予防と危機介入
Online ISSN : 2436-8369
Print ISSN : 1883-6046
シンポジウム 自殺統計の質の向上と、それを活用しての自殺対策の発展
自殺死亡率は本当に減少しているのか、地域の検案医の立場から見た現状
岡野 敏明
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2019 年 39 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

我が国の自殺死亡率(2015年)は19.7人で、32.7人のリトアニア(2015年)や28.3人の韓国(2015年)などに続き183か国の中でワースト18位となった。自殺予防対策において様々な関係機関が発表する自殺白書などの数字は、非常に大きな意味を成しており、関係各機関は数値目標を立てて対策に取り組んでいる。しかし自殺死亡率は、人口も違えば統計の信頼性や更新頻度が国によって異なるため、単純な比較が難しいとされる。

このように視点や要件などが変われば様々な数字が出てくることもあり、一体どの数字を評価対象とすればよいのか、そもそも数字がどこまで現状を反映しているのか、結局自殺死亡率は本当に減少しているのか。

統計に影響を及ぼす様々な背景を現場の検案医師の視点から問題提起をする。

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© 2019 一般社団法人日本自殺予防学会
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