2020 年 40 巻 1 号 p. 98-106
日本では、患者の自殺を体験した看護師への支援体制が十分に整っていないことが指摘されている。患者の自殺を体験した日本の精神科看護師の体験およびその支援に関する文献レビューを行い、効果的な支援について検討した。「自殺」「看護師」「精神」「psychiatric」「suicide」「nurse」「Japan」をキーワードとし、16文献を対象文献とした。患者の自殺を体験した看護師は、自死遺族と同様の反応を示していること、対処行動として「話を聞いてもらう」が最も多く記述されていたものの、一人で解決を試みる看護師もいることが示された。看護師への支援の現状として、看護師長などによる声掛けや感情表出の促しが個別的または集団的に行われているが、支援体制は確立されていないことが示された。看護師の反応を前提として感情表出を促すなど対処行動の支援が必要であり、それらが職場の内外を問わず個別的、集団的支援によって行われることが効果的な支援となると考えられた。