社会政策
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小特集■現代欧州の労働組合と労使関係
ドイツにおける事業所閉鎖とストライキ
岩佐 卓也
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2018 年 10 巻 1 号 p. 87-94

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抄録

 近年ドイツでは事業所閉鎖をめぐるストライキが頻発している。しかし意外にも,ドイツではこうしたストライキは1998年が最初である。従来から事業所閉鎖に際しては,経営組織法に基づいて,従業員代表委員会と使用者が補償金や再就職支援などについて協定する「社会計画」の仕組みが用いられてきた(労使が合意できない場合は仲裁委員会が社会計画を作成)。しかし,交渉に際して従業員代表委員会はストライキを行うことができず,限界があった。 そこで近年では,社会計画の内容を労働協約によって規定する場合がある。この労働協約を「社会協約」という。社会計画と異なり社会協約の場合は,使用者と労働組合が交渉当事者であり,労働組合はストライキの威力を用いて,社会計画では達成できない水準の補償金などを勝ち取ることができる。 本稿では,こうしたストライキの具体的な事例,および法的な限界などの諸問題について検討を行う。

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