2022 年 14 巻 1 号 p. 108-119
高齢者保健福祉推進10か年戦略(1989)は,日本初の介護サービスの整備目標を示す政策であり,市町村は老人保健福祉計画を策定した。介護保険制度の導入(2000)により,介護施策の財源調達方式は社会保険方式に変わり,介護保険事業計画は市町村の福祉行政計画でもあり,保険者による事業計画でもあるというハイブリッドな構造を持つユニークな計画となっている。介護保険法改正により,介護保険事業計画と介護保険事業支援計画には実績に対する「評価」が求められるようになった。
高齢者介護政策では「市場化」と「地域化」の方向性がみられるが,そのなかで都道府県の介護保険事業支援計画と市町村の介護保険事業計画の策定では,前期計画がどう評価され,その評価は次期計画にどう活かされているのか。またその策定過程において,国,都道府県,市町村はどのように影響し合っているのか。大阪府と府内2自治体の8期計画から,高齢者福祉政策における「評価」の現状を分析する。