社会政策
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2013年韓国鉄道ストにおける組合団結の要因
――「社会公共性」を中心に――
朴 峻喜
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2022 年 14 巻 1 号 p. 134-145

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抄録

 ここ数年,労働組合の組織率は世界中で下落している。団体行動を行う労働組合も減っている。しかし,韓国鉄道労組の場合,持続的に長期ストを行い,組織率も上がるなど,違う傾向を見せている。本研究は,2013年の鉄道スト当時,鉄道労組の組合員である労働者の間で団結がどう形成され維持されたのかに関するものであり,特に鉄道労組が強調した「社会公共性」の概念に注目した。

 本稿の結果,次の3点が明らかになった。第1に,新自由主義的政策によって現場で発生したさまざまな問題点に対して,「社会公共性」はそうした政策に反対する根拠として機能した。それで,「社会公共性」は2000年代以降に指導部の交代から生じた軋轢を解消し,組合員の結束をさらに強める拠り所となった。第2に,「社会公共性」はストの正当性として機能し,組合員の団結を高めた。第3に,社会公共性に対する外部の支持が,組合員の団結を大きく後押しすることになった。

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