社会政策
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政策動向紹介
コロナ危機下におけるドイツ食肉産業
――「組織化された無責任」をめぐって――
岩佐 卓也
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キーワード: ドイツ, コロナ, 食肉産業, 請負
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2022 年 14 巻 1 号 p. 157-164

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抄録

 コロナウイルスの感染が拡大する場として旅行や食事などが注目されることが多いが,おそらくそれ以上に重要なのが職場である。長時間の密集だけでなく,所得減少や雇用喪失を恐れて労働者は感染リスクを犯してでも出勤を強いられるという構造がある。これは交渉力の弱い労働者についてとくに当てはまると考えられる。

 ドイツの食肉産業はこうした問題状況が鮮明に現れた事例である。2020年4月以降各地の食肉工場で感染が急速に広がり,その大きな要因として「組織化された無責任」が指摘された。すなわち,労働者の多くが東欧諸国から請負を通じて調達されており,この請負の広範な活用が感染対策の責任を曖昧にしている。請負に対する批判は以前からあったが,コロナ危機を経て一挙に世論の注目するところとなり,2021年から食肉産業における請負を禁止する法律が成立した。本稿では,これらを素材として,コロナ危機において労働問題が独特な形で展開するプロセスを明らかにしたい。

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