本研究では,公的若者支援施策として実施される長期型プログラムにおいて若者の「表出性」と「道具性」との充足がいかに実現するのかを明らかにするため,同プログラムを計画・運営する支援スタッフと,その受講者とへのインタビュー調査をおこなった。
同調査結果より,事例とした長期型プログラムでの各支援活動において「表出的な支援」や「道具的な支援」がともに提供されていたことや,受講者がその過程で自身の「表出性」や「道具性」をそれぞれに充足させていたことなどが明らかになった。
以上を踏まえ,2点の考察を提示した。第1に,大きな意義を有する若者支援の活動の分析にあたっては,支援スタッフがそれぞれの支援活動に込める多元的な意図を詳らかにする必要がある。第2に,若者当事者の主観的認識に迫ることによって若者支援の活動に不可欠な要素・基盤を析出することや,公的若者支援施策の実効性を問い直すことが肝要である。