社会政策
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1990年代外部労働市場規制緩和における「新時代の『日本的経営』」の影響力
本田 恒平
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2023 年 14 巻 3 号 p. 109-119

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抄録

 本稿では,1990年代後半におこなわれた外部労働市場規制緩和における日本経営者団体連盟を中心とした経営者団体,政府委員会や審議会による政府・省庁に対する提言・要望書の分析を通じ,外部労働市場規制緩和政策における経営者団体の影響力を検証した。また,日経連の「新時代の『日本的経営』」が労働政策に与えた影響にも着目した。

 本稿の主な結論は以下のとおりである。日経連による「新時代の『日本的経営』」を,規制緩和の「契機」と位置付ける研究が多く存在するが,「新時代の『日本的経営』」はそれまでの日経連内,また加盟企業内で既にあった人事管理のあり方をまとめたものであり,報告書が発表された時には既に規制緩和はアジェンダ化されていた。また,本稿の分析を通じても,労働政策にまで文書が大きな影響を与えたという歴史は確認できず,先のような批判は,文書の労働政策決定過程への影響力を過大評価していることが明らかになった。

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