社会政策
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小特集3  健康・医療と社会政策:健康保険法100周年に寄せて
1922年健康保険法の再検討
榎 一江
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2023 年 15 巻 2 号 p. 87-99

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抄録

 本稿は、1922年に成立し、1926年に施行された日本初の公的医療保険に焦点を当てる(ただし、保険給付及び費用の負担に関する規定は1927年施行)。筆者は、第142回大会共通論題「パンデミックと社会政策の未来」において、およそ100年前のスペイン・インフルエンザの大流行が、結核死亡率の上昇とあいまって「健康」に対する意識変革をうながし、それが健康保険法を成立させた可能性を示唆した。座長報告では、「パンデミックは社会の『深層心理』に浸透し、無意識のレベルで人々の思考・行動を変容させる効果があることがうかがえる」との肯定的な受け止めもあったが、健康保険法そのものに対する検討を欠く点で実証的に不十分であった。そのため、改めて1922年健康保険法の意義について検討を行い、労働者の階級的成長と資本家側の譲歩として健康保険法の成立を説明してきた従来の研究を再検討する。これは、実証的な社会政策史研究の試みである。

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