社会政策
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小特集3  健康・医療と社会政策:健康保険法100周年に寄せて
健康保険組合と女性労働者
――富岡製糸場を中心に――
二谷 智子
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2023 年 15 巻 2 号 p. 100-111

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抄録

 本稿は、健康保険組合が製糸業に従事した女性労働者の健康を守るために果たした役割を検討する。その際、1872年に開業した富岡製糸場を事例に採りあげた。まず第1に、20世紀初頭から1930年代までの富岡製糸場での疾病と医療状況を明らかにし、第二次世界大戦以前の富岡製糸場の女性労働者めぐる保健医療の歴史的な変遷を確認した。第二次世界大戦後の富岡製糸場は、片倉工業株式会社の経営傘下に置かれ、片倉健康保険組合富岡支部が設置された。そこで第2に、本稿は、1947年から1962年までの片倉健康保険組合の活動を具体的に検討した。その結果、片倉健康保険組合の活動は、富岡製糸場で働いた女性労働者の保健医療および衛生をめぐる労働環境の改善に、大きな役割を果たしていた。富岡製糸場の事例は、1922年に公布された健康保険法に込められた政府の所期の目的が、第二次世界大戦後になり、ようやく成果を挙げた一つの例証と言えるであろう。

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