社会政策
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アクティブシティズンシップとイギリスの社会政策
――1980年代末から90年代を中心に――
石堂 峻生
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2024 年 16 巻 2 号 p. 14-25

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抄録

 本研究では、アクティブシティズンシップをイギリスの福祉国家再編の理念として位置づけ、1980年代末から90年代初期にかけてのアクティブシティズンシップをめぐる論争を検証し、その後の社会政策に果たした役割を明らかにする。本研究の結果から、アクティブシティズンシップは、社会的結束を目的とする市民的義務を表すとともに、市場に動員する政策理念としても用いられた。1988年には、アクティブシティズンシップを推進する目的で、議会にシティズンシップ委員会が設置され、概念の検討や政策への展開が試みられた。

 本研究を通して、アクティブシティズンシップが果たした役割として、市場と国家に焦点化されていた政治思想を、シティズンシップ概念から再構築に導いたことや、ボランティアの促進や自治の拡大、シティズンシップ教育が実施され、参加を重視した政策の出発点となったことが示された。

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