2024 年 16 巻 3 号 p. 87-98
近年の障害者福祉政策の改革では、障害者福祉に一般市場の機能を適用させる政策が増えている。こうしたなかで障害者就労継続支援A型事業所は、障害者に雇用の場と福祉サービスを合わせて提供する事業として創設された。しかし一般労働市場と近接し接続することが求められている本事業の経営には課題が多いことも指摘されている。このため本報告では、全国の障害者就労継続支援A型事業所の経営データを用いた分析を行い、良好な成果を上げている事業所の特性について分析する。
具体的には、障害者就労継続支援A型事業所の経営の成果(就労者の賃金、収支差、利益率および一般就労への移行状況)を規定する要因を、事業所の法人格や所在地、生産活動の内容、事業の特徴やサービス内容などについて検討し分析して考察する。