本論文では、2023年に実施した20人のオンラインインタビュー調査を用いて、1990年代後半から2000年代前半の景気が悪化した時期に学校を卒業した就職氷河期世代研究の現状を明らかにした。
就職氷河期世代のキャリアの困難は、非正規雇用の連続として現れているわけではなかった。新卒正社員であっても労働条件の悪い就職先をキャリアの起点とするケース、正社員経験はあるが何度か正社員を離職し、正社員と非正社員を行きつ戻りつしたり、無業・失業をたびたび経験するキャリアが多数存在する。本稿ではこうしたキャリアを、ヨーヨー型キャリアと呼ぶ。
現在の就職氷河期世代支援は、正社員ないしは就業を目指すという点で再分配にもっぱら焦点が当てられているが、同時に社会に居場所を見つけることが難しいという実存を否定するような体験への社会的な承認について、また若い世代に地続きの問題として伝えていくための方策について議論を重ねることが求められる。
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