社会政策
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特集 「労働力不足」で何が生じているのか
座長報告:「労働力不足」で何が生じているのか
熊沢 透
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2025 年 17 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

 「労働力不足」という言説を通じて社会ではなにが主張され、何が起きているのか。外国人労働者、高齢者、女性は、「労働力不足」基調を前提としたとき、これまで以上の労働力参加が促されるターゲットとして浮上しているグループである。全体状況を語るデータを検証する報告とそれぞれのグループを扱った報告とによって、私たちはリアリティを踏まえて制度や現象の細部に注目することの大切さをあらためて理解した。4報告は必ずしもひとつの一貫した論点を共有しているわけではない。座長は今日の「労働力不足」は日本の技能養成や人材形成のシステムが機能不全をきたしていることをあらためて浮かび上がらせていることを総括的に述べた。そして特に医療、福祉、保育、教育といったケアと次世代育成に関わる領域、建設や運輸といったインフラの維持保全と運用にかかわるエッセンシャルな領域に「労働力不足」の深刻な問題が集中していることを強調した。

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