社会政策
Online ISSN : 2433-2984
Print ISSN : 1883-1850
住宅支援を利用する生活保護受給者からみる無料低額宿泊所問題の検討(<小特集1>生活保護受給者の自立/支援の検討-埼玉県生活保護受給者チャレンジ支援事業の分析)
岩永 理恵四方 理人
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 5 巻 2 号 p. 101-113

詳細
抄録

本稿は,無料低額宿泊所(無低)等をめぐる問題の背景を読み解きながら,無低に入所する生活保護受給者の実態と必要な支援を,埼玉県の「生活保護受給者チャレンジ支援事業」(アスポート)利用者データを通して明らかにすることが目的である。住宅支援事業の背景には,路上生活者の増加や生活保護運用上の変化,無低等の社会問題化がある。このことを踏まえ,無低利用者を含む住居喪失者や住居不安定者に対する支援体制構築を試みた点にアスポートの特徴がある。分析により,無低入所のまま保護を受けている期間が長くなると,アパート等に転居するまでの日数がかかり,転居支援が困難になると推察された。無低問題や生活保護法の原理に鑑みて,そもそも無低に入らなければならなかったのかを問う必要があり,住宅支援事業により生活保護受給者が無低を経由せず居宅移行可能になることの意義は大きいと考える。

著者関連情報
© 2013 社会政策学会
前の記事 次の記事
feedback
Top