社会政策
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生活保護受給者への就労支援の分析(<小特集1>生活保護受給者の自立/支援の検討-埼玉県生活保護受給者チャレンジ支援事業の分析)
金井 郁四方 理人
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2013 年 5 巻 2 号 p. 87-100

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抄録

埼玉県が実施する職業訓練支援員事業の利用者データ及び聞き取り調査から,生活保護受給者への就労支援について考察を行った。データからみた最も注目すべき就労支援の特徴は,就労による保護の廃止は開始して間もなく最も割合が高くなり,その後低下していく一方,保護の廃止を伴わない就労開始は支援後1〜1年半経ってから割合が高まっていることである。聞き取り調査から,職業能力を高め就労による自立を目指す同事業においても,社会とのつながりを持つことや就労に対する意欲を高めることが重要視されており,職業訓練は技能習得だけではなく,就労への意欲を喚起・持続させるために用いられていることがわかった。支援には長期間かかり,保護の廃止までにはいたらない場合も多いが,一定割合の就労開始という成功をみている。就労支援のあり方は日常生活や社会生活の回復を視野に入れたものにならざるを得ないことを表しているといえる。

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© 2013 社会政策学会
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