プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2000年度秋季
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2-12 多品種製品生産プラントの設計マネジメント
丹羽 忠夫梅田 富雄
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 75-80

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抄録

近年消費者の嗜好の多様化に伴い、 従来は重厚長大の典型的産業といわれた化学産業も多品種製品の生産を余儀なくされてきた。 多品種製品生産を効率的に行うのみでなく、 より高品質な製品の生産を可能にする生産技術が脚光を浴びてきた。 これらの分野で主に用いられているプロセスは連続プロセスに比較して柔軟に変化に対応可能なバッチプロセスであるが、 バッチプロセスは連続プロセスと異なり、 標準化、 プロセスの革新化が遅れている分野である。 そして製品寿命が短くなるに従ってファインケミカル、 医薬品工業等においては製品の寿命がプラントの寿命より短くなるケースが生じ、 生産設備投資の判断の一つとして将来の変化への対応が問われるようになってきている。 これらの製品を生産するプラントの寿命に大きな影響を与えるのはFS(フィージビリティスタディ)を含めた設計段階であり、 設計段階で多品種製品生産プラントの寿命が決まるといってもよい。 即ち設計段階でプラントのライフサイクルの価値が決定されるといえる、 そのため設計段階は極めて重要なフェーズといえる。 多品種製品生産プラントの設計時に将来のプラント寿命に影響を与える要因としては品種構成を含めた設計仕様の不確定、 将来の製品品種変化への対応、 フレキシブルな生産設備化、 フレキシブルな設備の評価等がある。 これらの要因に対して技術面、 経営面、 組織面から検討を加えた。 特にプロセスシミュレーションを用いた設計マネジメントについて、 多品種生産プロセスとして開発されたパイプレスブラントの実績をもとに述べる。

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© 2000 プロジェクトマネジメント学会
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